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2025-02-10

生活習慣病の早期発見と対策

1.生活習慣病の怖さ

 生活習慣病の中でも、代表的なものとしては、「高血圧」、「脂質異常症」、「糖尿病」などが挙げられます。皆様も一度は聞いたことのある病気なのではないでしょうか。これらを含む生活習慣病の多くは、自覚症状がないまま進行しますが、自覚症状なく進行していくことこそが生活習慣病の怖さです。自覚症状がないが故に、「大したことはない」、「体に変化はないし元気だから、自分は大丈夫」と放置してしまったり、治療を中断してしまったりする方もいらっしゃいます。しかし、自覚症状が無い一方で、体の内部では着実に動脈硬化()などの変化が進み、血管や臓器に負担がかかってきます。そして、そのような状態が放置されることで、やがて、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞、糖尿病合併症など、命を脅かしたり後遺症を残したりする可能性のある重大な合併症が生じます。

 

 上記のような一連の流れを、下図「生活習慣病発症までの経過(一例)」に示しましたので、ご参照ください。

 

動脈硬化とは

動脈硬化とは、動脈と呼ばれる太い血管が硬くなり、弾力性が失われた状態のことです。また、血管内が狭くなり、血液が流れにくくなる、血流が途絶えるといったことが起こってしまいます。血液は各細胞に酸素や栄養素を運んでいるため、血管内が狭くなり血流が悪くなるということは、臓器に酸素や栄養素が届かなり、それによって臓器が機能不全に陥ってしまうことを意味しています。高血圧や脂質異常症、糖尿病などを放置した結果としての心筋梗塞や脳梗塞、狭心症などの発症は、その一例といえます。

 

図:生活習慣病発症までの経過(一例)

2.早期発見と早期対応

 先ほどお伝えした通り、生活習慣病は放置されることで無自覚のまま進行し、やがて重大な合併症を引き起こします。したがって、生活習慣病においては、早期発見と早期対応が何よりも重要です。

(1)早期発見

 年に1回は健康診断を受けましょう。自覚症状の有無にかかわらず、定期的に健康診断を受けて自分自身の健康状態を把握することが、生活習慣病の早期発見につながります。

(2)早期対応
①健康診断の結果票の判定コメントに従う

 健康診断を実施した後は、結果票に記載された判定コメントに従いましょう。特に、要精密検査・要治療といった判定の場合には、その都度、医療機関を受診し医師の指示に従う必要がありますが、要精密検査・要治療の判定が続いている方の中には、「どうせ毎年引っ掛かるかる項目だから…」、「昨年受診したから、忙しいし今年は受診しなくてもいいか」などと放置してしまう方がいるかもしれません。そのお気持ちはとてもわかりますが、前述の通り、血管への負担はかかり続けており、前年度より動脈硬化が進行している可能性もありますので、自己判断としてのご自身の考えは一旦脇に置き、専門的な視点からの評価を受けるべく、医師の指示を仰ぐようにしてください。

②特定保健指導を利用する

 40歳以上75歳未満の方で医療保険に加入している方は、年1回、特定健康診査を受けることになります※※。特定健康診査の結果、生活習慣病のリスクが高いと判定された方に対しては、「特定保健指導」を受けるよう案内があります。特定保健指導は国が制度化した生活習慣改善プログラムであり、ご加入の医療保険にもよりますが、多くの場合、自己負担なしで受けることができます。特定保健指導では医師、保健師、管理栄養士などの専門職が1人1人に寄り添い、生活習慣改善のための個別的なアドバイスや相談を行います。案内があった際にはぜひ参加してみてください。

 また、40歳未満の方に関しても、医療機関によっては保健師、管理栄養士といった専門職が健康相談を実施している場合がありますので、積極的に活用することをお勧めします。

 

※※特定健康診査の検査項目は、生活習慣病予防健診や人間ドックの項目に含まれるため、40歳以上75歳未満の方の中には特定健康診査を受けているという自覚がない方も多いかもしれません。

 

 生活習慣病の多くは、遺伝的素因等に加え「生活習慣」が関連しているため、生活習慣の改善により、予防や進行防止が可能な病気といえます。生活習慣病になっていない方、生活習慣病予備軍の方、生活習慣病の治療中の方、これらすべての方にとって、生活習慣を改善し「健康的な生活習慣を身につける」ことは、この先も健康で生き生きと生活する(健康寿命を延ばす)ためにとても重要なことです。

 

*生活習慣病治療中の方は、主治医の指示に従ってください。