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2026-04-02

腸活について~生活習慣病編~②

前回のコラムでは、腸活の基本として「腸内細菌の働き」や「短鎖脂肪酸」、腸内環境を整える食事のポイントについてご紹介しました。

今回は食事に加えて、睡眠・運動・ストレス・飲酒・喫煙などといった “ 生活習慣 ” が腸内環境に与える影響と、今日からできる整え方を解説いたします。

 

前回のコラムはこちら >> 腸活について~生活習慣病編~

 

1.腸活で生活習慣病を防ぐための具体的な習慣

腸内環境は、食事だけでなく睡眠・運動・ストレス・飲酒・喫煙などといった毎日の習慣の影響も受けます。腸の働きは自律神経(体を活動モードと休息モードに切り替える神経)によって調整されており、生活リズムが乱れると腸のぜん動運動(便を運ぶ動き)が不安定になり、便秘や下痢、お腹の張りなどが起こりやすくなります。さらに近年では、腸内細菌にも “ 概日リズム(1日の周期的変動) ” があることが示されており、睡眠や食事時間の乱れが腸内環境のバランスに影響を与える可能性も指摘されています。

 

(1)睡眠

睡眠は、体の回復だけでなく、腸の働きを整えるうえでも重要です。睡眠中は腸の内側が修復され、免疫のバランスも整うと考えられています。しかし、睡眠不足や就寝・起床時間の不規則化が続くと体内リズムが乱れ、自律神経のバランスが崩れやすくなります。その結果、腸の動きが弱くなったり、刺激に敏感になり、便秘や下痢などの症状につながることがあります。腹痛や便通異常が続く「過敏性腸症候群(IBS)」では、睡眠の乱れを伴いやすいことも報告されています。

 

今日からできること

  • 1日6~8時間程度の睡眠を目安に、睡眠時間を確保する
  • 起きる時間はできるだけ毎日同じにする(±30分以内が目安)
  • 就寝1時間前は、スマートフォンやパソコンなど強い光を発する機器の使用を控える
  • コーヒーやエナジードリンクなどカフェインを含む飲み物は、就寝6時間前以降は控える 

 

(2)運動

運動は腸を適度に刺激し、働きを助けます。体を動かすとお腹にかかる力が変化し、腸への血流も増え、腸の動き(ぜん動運動)が活発になりやすくなります。反対に、運動不足や長時間座りっぱなしが続くと腸への刺激が減り、便がたまりやすくなります。さらに運動は、血糖コントロールの改善や体重管理、内臓脂肪の減少につながるとされています。これらの作用は、体の中で起こる慢性的な炎症を抑えることにも関係しており、腸内環境の改善だけでなく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にも関係すると考えられています。

 

今日からできること

  • 週合計150分(1日20~30分程度)を目安に、早歩きなど少し息が弾む運動を取り入れる
  • 1時間に1回は立ち上がり、2~3分ほど歩く・体を伸ばす
  • 便秘気味の場合は、食後に10分程度の歩行を取り入れる

 

(3)ストレス管理

腸と脳は互いに影響し合っており(脳腸相関)、ストレスは腸の調子に直結します。強いストレスが続くと自律神経のバランスが崩れ、腸の動きが弱くなったり、消化液の出方が変わったり、腸のバリア機能が低下したりすることがあります。その結果、腸内環境が乱れやすくなります。腹痛や便通異常が続く過敏性腸症候群(IBS)でも、ストレス対策は症状管理の重要な一部とされています。

 

今日からできること

  • 腹式呼吸(4秒吸って6秒吐く)を、1日2回・2分程度行う
  • 入浴や軽い運動など、“ 回復時間*1” を意識的に確保する
  • お腹の調子が優れないときには、唐辛子などの香辛料を多く使った料理や脂っこい食事は控える

*1 回復時間:運動は腸の蠕動運動を促し、入浴は腸への血流を改善してリラックスを促すとされています。これらを組み合わせることで、腸の働きが整い、腸の健康維持や回復時間の短縮に役立つ可能性があります。

 

(4)飲酒

アルコールの飲みすぎは腸の粘膜を刺激し、腸のバリア機能を弱めることがあります。すると腸の壁のすき間が広がり、不要な物質が体内に入りやすくなる状態(腸管透過性の上昇)につながる可能性があります。また、腸内環境のバランスが変化することも報告されており、その結果、下痢やお腹の不快感、炎症などが起こりやすくなることがあるため、腸活の観点からは、飲む「量」と「頻度」を意識することがポイントとなります。

 

今日からできること

  • 純アルコール20g/日程度を目安にする
  • 週に1~2日は休肝日を設けるよう心がける
  •  空腹時の飲酒は避ける
  •  飲酒時は水やお茶なども一緒にとる

 

(5)喫煙

喫煙は血流を悪くし、体内の酸化や炎症を増やすことで、消化管にも悪影響を与えます。腸内細菌のバランス(多様性)が崩れやすいことも指摘されています。さらに、炎症性腸疾患(IBD)の一つであるクローン病*2では、喫煙が症状の悪化や再発(再燃)のリスクを高めることが知られており、禁煙が強く推奨されています。

*2 クローン病:口から肛門までの消化管に慢性的な炎症が起こる炎症性腸疾患(IBD)の一つで、腹痛・下痢・体重減少などが生じることがあります。

 

今日からできること

  • 可能であれば禁煙を検討する
  • 難しい場合には、減煙から始めてみる
  • 医療機関での禁煙支援を活用する

 

2.腸内環境を乱しやすいNG習慣

(1)欠食・暴飲暴食(食べ方の乱れ)

食事の間隔が空きすぎたり、一度に食べすぎたりすると、腸の動くリズムが乱れやすくなることがあります。特に欠食が続くと、食後に腸が動きやすくなる反射(胃結腸反射)が起こりにくくなり、便通リズムの乱れにつながることがあります。また、暴飲暴食は消化管に急な負担をかけ、下痢やお腹の張りの原因になることがあります。

 

3食を一度に整えるのが難しい場合には、無理のない範囲で「軽い朝食」から取り入れてみるのも一つの方法です。朝は時間に余裕がなかったり、固形物が食べにくいこともあるため、まずは飲み物など取り入れやすいものから、ご自身の生活に合った形で少しずつ始めていただければと思います。

 

【 軽い朝食の取り入れ方の例 】

食べるもの:ヨーグルト+果物、味噌汁+ご飯少量、ゆで卵+トースト半分 など

飲み物:牛乳、豆乳、具だくさんのスープ など 

 

※ ジュース類(果物ジュース・野菜ジュース・スムージーなど)は、糖質の吸収が早く、血糖値が急上昇しやすいことから、日常的な摂取は控えることが望ましいとされています。

特に、糖尿病のある方や血糖値が気になる方は、習慣的な摂取に注意が必要です。取り入れる場合には、無糖のものを選び、できるだけ食事と一緒に摂ると安心です。また、たんぱく質(乳製品・卵・豆類など)や食物繊維を含む食品と組み合わせることで、血糖値の急上昇を抑えやすくなります。

 

さらに、朝食としては、できる限り「噛む食品(固形物)」を取り入れることで、腸内環境の改善にもつながりやすくなります。

 

(2)睡眠不足・不規則

睡眠不足や生活リズムのばらつきは、自律神経のバランスに影響し、腸の動きが鈍くなることがあります。腸の働きは睡眠・覚醒リズムと連動しているため、睡眠の乱れが続くと便秘や下痢が起こりやすくなる場合があります。整えやすい工夫としては、「寝る時間」よりも先に「起きる時間」をできる範囲でそろえてみる方法です。起床時刻が安定すると、眠気のリズムも整いやすくなります。

 

(3)座りっぱなし

長時間座り続ける生活は、お腹まわりの動きが少なくなり、腸への刺激も減るため、便がスムーズに出にくくなることがあります。さらに血流が落ちることで、腸の動きも弱まりやすくなります。運動量を増やすというより、こまめに体を動かす工夫として、1時間に1回立つ、少し歩く、階段を使うなど、無理なく続けやすい「自分ルール」を作ってみるのもよいかもしれません。

 

(4)ストレスの蓄積

ストレスが続くと、自律神経の影響で腸の動きや消化液の分泌が変化し、お腹の張りや下痢・便秘の症状が出やすくなる人もいます。これは、脳と腸が影響し合う「脳腸相関」により、心理的な負担が消化器症状として現れるためです。対策としては、これまでの習慣を大きく変えるというより、短時間であっても“回復の時間”を確保するほうが続けやすいかもしれません。例えば、腹式呼吸を2分行う、入浴する、軽いストレッチをするなどを「毎日の予定」に入れておくのも一つです。

 

(5)脂っこい食事・肉中心の偏り

脂っこい食事やお肉中心の食生活が続くと、食物繊維が不足しやすくなります。食物繊維は便のかさを増やすだけでなく、腸内細菌のエサにもなります。腸内で発酵すると、腸の調子を整える物質(短鎖脂肪酸)を作る助けにもなります。不足すると便通が乱れたり、腸内環境が崩れやすくなります。

食習慣を完璧に変えようとするよりも、「副菜を1品足す」くらいから始めると続きやすいかもしれません。野菜・海藻・きのこ・豆類を、どれか1つ加えることから始めてみてはいかがでしょうか。

 

(6)抗菌薬(抗生物質)の自己判断による使用

抗菌薬は必要な治療ですが、自己判断で飲み始めたり、中断したりすると、腸内細菌(腸内環境)のバランスが崩れて下痢などの副作用につながることがあります。特に、抗菌薬による下痢はよく知られています。服用は医師の説明どおりに行い、強い下痢、血便、発熱がある場合には、早めに医療機関へご相談ください。

 

3.腸内フローラ検査(Flora Scan)について

当院では、人間ドックのオプションとして腸内フローラ検査(Flora Scan)を行っています。

 

(1)腸内フローラ検査とは

腸内には多くの細菌がすみついており、その組み合わせ(腸内フローラ)は人によって異なります。腸内フローラ検査は便を採取して腸内細菌のバランスや特徴を解析し、ご自身の腸内環境の「傾向」を見える化する検査です。

 

(2)検査でわかること
  •  腸内細菌のバランスや多様性
  • 腸内フローラタイプの傾向と、食事・生活習慣との関連性
  • 日本人の平均データと比較した結果(どのタイプが多いか)
  •  タイプ別に気をつけるべき食生活のポイントや腸活のヒント 

 

腸内環境の多様性は、便通だけでなく免疫・代謝・炎症などとも関連が報告されています。腸内環境に偏りがあると、体調不良につながる可能性があります。

 

(3)検査を受けるメリット
  • 自覚しにくい腸内環境をデータで確認できる
  • 食事・生活習慣の見直しポイントが分かり、改善の優先順位をつけやすい
  • 腸活を自己流ではなく、結果に基づいて進められる
  • タイプ別の提案を参考に、自分に合った腸活を始められる

 

Flora Scanでは腸内フローラを5タイプに分類します。タイプに応じた食生活・生活習慣の傾向や、腸活のアドバイスが分かるため、結果を日常生活に活かしやすいのが特徴です。

 

(4)こんな方におすすめ
  • 便秘・下痢・腹部の不快感など、腸の不調が気になる
  • 生活習慣病や体調管理を見直したい
  • ダイエットや美容を意識している
  •  腸活を始めたいが、何から取り組めばよいか分からない

 

腸内フローラ検査は病気の診断を目的としたものではなく、生活習慣の改善や腸活の方針を決めるための検査です。ご自身の腸内環境の結果を活かした生活改善に取り組むことができます。

 

 4.まとめ

腸内環境は、食事だけでなく睡眠・運動・ストレス・飲酒・喫煙など、日々の生活習慣の影響を大きく受けます。生活リズムが乱れると腸の動きや腸内環境のバランスにも影響し、便通の乱れや体調不良につながることがあります。一方で、生活習慣を整えることは、腸内環境の改善だけでなく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にもつながるとされています。

 

すべてを一度に変える必要はありません。まずは 「少し早く寝る」「こまめに体を動かす」「食事のリズムを整える」など、できそうなことを一つ取り入れることから始めてみてはいかがでしょうか。また、腸内環境には個人差があります。ご自身の腸内フローラの特徴を知ることは、生活習慣を見直すきっかけにもなります。当院の腸内フローラ検査も、腸活や健康づくりの参考としてご活用いただければ幸いです。

 

スマイル健康クリニック東京の「レディースDay」のご案内

当クリニックでは、第2水曜日 および 第4水曜日 を「レディースDay」として設定し、女性の受診者様に安心して受診いただける日をご提供しております。気兼ねなく検査をお受けいただけますので、ぜひご利用ください。

 

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