健康だより|大田区の健康診断・人間ドックならスマイル健康クリニック東京|JR蒲田駅東口 徒歩3分

Blog

健康だより

  1. ホーム
  2. 健康だより
  3. 健康診断結果の見方
2024-06-19

健康診断結果の見方


健診結果の見方

 

1.健康診断とは

 体の健康状態を総合的に確認するプログラムのことを健康診断といいます。 生活習慣病やがんなど、病気の早期発見・早期治療を目的に行われます。

 

2.基準値と判定区分

基準値とは

健康と考えられる人の 95%が含まれる範囲。20〜60 歳くらいまでの健康な人 の検査成績をもとに、上限と下限の 2.5%ずつを除外したもので、残りの 95% の人の数値が基準範囲とされています。
※健康な方でも、基準値をやや外れることがあり得、問診や診察等と併せ総合的に判断さ れるケースもあります。

 

判定区分とは

健康診断後、受診された方にとって頂きたい対応の目安を明らかにするために 設定されているものです。個人の検査値が基準範囲からどの程度はずれている かで判定されています。 

判定区分意味
A異常なし
B軽度所見
C要経過観察
D1要治療
D2要精密検査
E治療中

 ※判定区分は、受診された医療機関により異なる場合があります。また今後改訂される場合がございます。

 

3.再検査と精密検査の違い

  • 再検査 : 異常な数値が一時的に出ただけなのか、それとも身体に何らかの問題が起きていることにより 出ているのかを確認するために行う検査。基本的には、健康診断の際に行われた検査と同じ内 容の検査を 3 か月後や 6 カ月後、といったように期間をあけて行います。
  • 精密検査 : 検査で見つかった異常がどのような疾患によって起こったものなのか、治療が必要か否かを 調べるために行われる検査。医師の指示に従い、さらに詳しい検査を受けることになります。

 

4.健康診断の際の留意点

☑ 健康診断の前日・数日前に特別なことをしない

健康診断は、試験ではないので、良い結果を出すことが目的ではありません。健康診 断前の食事制限については必ず守っていただく必要がありますが、それ以外は普段と 変わらない生活をした上で健康診断を受け、ありのままの自分の健康状態を知る機会 にしましょう。 
健康診断の直前に慌てて極端な取り組みを行った結果、検査結果に予期せぬ影響が 生じ、正しい結果が得られなくなる、ということもあり得ます。

 

〖結果に影響を及ぼす可能性のある事項〗(例)

  • 激しい運動    → 肝機能や尿酸が高値となったり尿蛋白や尿潜血で陽性となる可能性がある。
  • サプリメント → 肝機能・腎機能の検査値の上昇など、含まれる成分により影響はさまざま。 また、ビタミン C の摂取により尿糖や尿潜血反応が偽陰性を呈することがある。 
  • 喫煙            → 胃部レントゲン検査で胃の動きが活発になることでバリウムが通常より速く胃か ら腸へ押し出されて画像がきれいに撮れなかったり、胃部内視鏡(胃カメラ)検 査では胃液がたくさん出ることで胃粘膜が見えにくくなったりしてしまう。

 

☑ 健康診断前日・当日の食事制限

食事は血液検査、尿検査、画像診断などに影響します。健康診断前の食事については、前日から当日にかけて制限されていることが多いです。

〖食事制限(例)〗

  • 健康診断の 10 時間以上前には食事を済ませ、それ以降は絶食。
  • 前日よりアルコールは控える。
  • アメやガムなども口にしない。
  • 当日はコップ一杯程度の水や白湯を飲むことは可能。
    ※糖分やカフェインの入った飲み物は検査結果に影響を及ぼす可能性がありますのでお控えください。

 

 

〖食事が影響する検査〗(例)

  • 血液検査 → 主に血糖と中性脂肪の値に影響する。 アルコールは肝機能・尿酸・血糖・中性脂肪等の値に影響する。 
  • 尿検査  → ビタミン C を多く含む食品の摂取は、尿糖や尿潜血で偽陰性となることがある。 ビタミンが含まれる飲料にも注意が必要。
  • 画像診断 → 胃部レントゲン検査、胃部内視鏡(胃カメラ)検査では、食事をとると食物によって胃 の中が見えづらくなってしまう。

 

☑ 治療中の方は主治医へ相談を 

内視鏡検査で組織検査も併せて行う場合などで、特定の内服薬 を数日前から一時中止しなければならないことがあります。健診 機関の指示事項を確認するとともに、現在治療を受けている主治 医に対し、健康診断受診の要否、健診前の服薬等について相談し ましょう。

 

 

5.検査結果の見方

検査項目基準値単位検査の説明
身体計測BMI18.5~24.9 身長と体重から計算した体格のバランスです。
25以上は「肥満」、18.5未満は「やせ」の体型。22前後が最も病気が少ない体型といわれていますが、基準値内でも年々増加している場合には対策が必要です。
腹囲男性85 未満cm内臓脂肪がどのくらいお腹に蓄積されているかを示す指標です。内臓脂肪が蓄積することで血圧や脂質・血糖等の数値悪化に繋がるため基準値を超える場合には減量が必要です。
女性90 未満
血圧収縮期血圧130未満㎜Hg血圧とは、心臓が収縮または拡張したときに血管壁にあたる血流の強さ(圧力)のことです。
心臓・血管系の異常のほか、腎臓・内分泌・代謝系の異常を知る手がかりになります。血圧高値が持続することで、脳卒中や心臓病、腎臓病などの発症リスクが高まります。
拡張期血圧85未満
血液一般白血球 3100~8499/μl細菌・ウイルスの感染や炎症の指標となります。高値は感染症の疑い、非常に高い値や低い値の場合は血液疾患の疑いがあります。
血小板14.5~32.9/μl血液の固まりやすさを表す指標となります。数値が高い場合は血小板血症、鉄欠乏性貧血などが疑われ、低い場合は再生不良性貧血などの骨髄での生産の低下などが考えられます。
赤血球男性400~539×104/μl高値は多血症、低値は貧血の疑いがあります。赤血球(に含まれるヘモグロビン)には、全身に酸素を供給し、不要となった二酸化炭素を回収して肺に送る役目があるため、少なくなると酸欠状態により貧血症状が生じ、多すぎると血液の流れが悪くなり血管が詰まりやすくなります。ヘモグロビンは鉄と蛋白質が結びついた赤色素蛋白質です。
ヘマトクリットは、血液全体に占める赤血球の割合を表します。高値は多血症や脱水の可能性、低値は貧血の疑いがあります。
女性360~489
血色素量
(ヘモグロビン)
男性13.1~16.3g/dl
女性

12.1~14.5

ヘマトクリット男性38.5~48.9
女性

35.5~43.9

脂質中性脂肪

30~149

dl中性脂肪は主に糖分(主食・アルコール・甘いもの等)の摂り過ぎや食べ過ぎ、運動不足等で増加し、LDL(悪玉)コレステロールを増やし、HDL(善玉)コレステロールを減らすことで動脈硬化を促進します。
HDL コレステロール40 以上 dl血管壁に溜まった悪玉コレステロールを取り除いて肝臓に戻す働きがあるので、善玉コレステロールといわれています。動脈硬化を抑制することから、低すぎると動脈硬化を進める要因となります。
LDL コレステロール60~119 dl悪玉コレステロールといわれ、血管壁や組織へコレステロールを運び込む働きをします。高値のまま放置すると、動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞等の原因となります。
肝機能AST(GOT)30 以下U/l肝細胞に多く含まれる酵素で、肝臓に障害が起こって肝細胞が壊れると、血液中に流れ出し値が上昇します。脂肪肝、肝炎、肝硬変、胆石などが主な要因となります。
ALT(GPT)は肝臓に多く含まれる酵素で、肝細胞の変化や壊死に敏感に反応します。一方、AST(GOT)は心筋、肝臓、骨格筋などに多く含まれる酵素で、これらの臓器に異常が起こると値が高くなります。
γ-GTPは肝臓の解毒作用に関係する酵素で、アルコールに敏感に反応するほか、肝臓や胆道の疾患があると他の酵素よりも早く異常値を示す傾向があります。その他、薬の服用でも高くなることがあります。
ALT(GPT)30 以下U/l
γ-GTP50 以下U/l
代謝系空腹時血糖99 以下㎎/dl採血時点で、血液中にどのくらい糖があるかを調べる検査です。高値の場合、糖尿病の疑いがあります。食事の影響が強いため、空腹時に検査を行います。
HbA1c (NGSP値)5.5 以下過去1~2カ月の血糖の状態(平均値)を表します。血糖値の高い状態が続くと、血液中のヘモグロビンと結合するブドウ糖の量が多くなるため、HbA1cが高値となります。当日の食事など短期間の血糖値の影響を受けません。
尿糖(-)糖尿病の指標の一つ。通常、尿中に糖は出ませんが、血糖値が160~180㎎/㎗を超えた場合に陽性となります。健康な方でも、過食やストレスにより陽性となることがあります。また、腎性糖尿では、血糖値が高くなくても尿糖が陽性になります。
尿酸2.1~7.0㎎/dl尿酸は、細胞が新陳代謝をした後に残る燃えかすです。高値は高尿酸血症が考えられ、痛風のみならず、腎機能低下や動脈硬化、尿路結石の原因となります。飲酒や美食、食べ過ぎ、ストレス、遺伝的要因等が高値に関連します。
尿・腎機能尿蛋白(-)慢性腎臓病、ネフローゼ症候群、尿路感染症などで陽性となります。健康な方でも、運動後に陽性となることがあります。
尿潜血(-)腎疾患や尿路疾患の指標となります。腎臓、尿管、膀胱からの出血や炎症などの組織破壊が起きている疑いがあります。月経前後や運動後に陽性となることがあります。
クレアチン男性1.00 以下㎎/dl蛋白質代謝の終末産物で腎臓から排泄されます。慢性腎臓病や糖尿病などによる腎機能の低下で高値となる場合が多く、腎臓の障害が大きいほど高値となります。また、脱水で高い値を示すこともあります。
女性0.70 以下
eGFR60.0 以下ml/分/1.73m2クレアチニン値を用いて年齢・性別を推算式に入れ、算出した値です。「腎臓にどれくらい老廃物を尿に排泄する能力があるか」を示しており、腎機能が低下するほど低値となります。
 その他胸部X線肺炎・肺結核・肺がんなどの肺疾患の有無、心臓の大きさ、大血管の大きさなどを調べます。
心電図心臓の状態をチェックし、不整脈・心肥大・心筋梗塞、また、心臓に栄養を与えている血管(冠動脈)硬化の有無を調べます。
胃部X線・内視鏡食道・胃・十二指腸の異常がないかを調べます。
便潜血 陽性の場合、大腸から肛門までどこかで何らかの病変が起こり、そのために出血している可能性があります。特に、大腸がんや大腸ポリープができている兆候となりますが、痔の出血や女性の方は経血が便に付着しても陽性となり得るため、確定診断のためには大腸内視鏡検査を受ける必要があります。
腹部超音波検査 体表面から目的とする臓器に向けて超音波を当て、その反射波を映像化して臓器の断層像を診る検査です。肝臓、胆のう、腎臓、膵臓などの腹部臓器の異常の有無を調べます。

 

※基準値は、検査結果等を判定する際の参考値となります。受診された健診機関によっては数値が異なる場合があります。

また、今後改訂される可能性がございます。