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2026-02-03

大腸がんについて

1.大腸がんとは

大腸がんは、消化管(口・咽頭・食道・胃・小腸・大腸・肛門などからなる一本の管のことで、食べ物が口に入ってから便として出るまでの通り道)の最後の部分にあたる大腸の内側の粘膜から発生するがんです。

大腸には「結腸」と「直腸」があり、日本人の場合は特に「S状結腸」(お腹の左下あたり)や「直腸」(肛門に近い部分)にできやすいとされています。大腸は長い臓器なので、「盲腸がん」「上行結腸がん」「横行結腸がん」「下行結腸がん」「S状結腸がん」「直腸がん」など、がんが発生する場所によって細かく名前がついていますが、これらはまとめて「大腸がん」と呼ばれます。

 

多くの場合、最初は「腺腫」という良性のポリープ(できもの)が、長い時間をかけてがんへ変化しますが、まれに、ポリープを介さず、正常な粘膜から直接がんができる場合もあります。

 

がんは最初、大腸の粘膜という浅い場所で発生しますが、進行するにつれて大腸の壁の奥深くまで広がっていきます。さらに進むと、大腸の近くにある膀胱や子宮、前立腺、腟など周囲の臓器へ広がったり、お腹の中にがん細胞が散らばる「腹膜播種」となったりする場合もあります。また、がん細胞がリンパ管や血管に入ると、「リンパ節」や「肝臓」「肺」など離れた臓器にも転移することがあります。こうした転移が先に発見されて、大腸がんの存在に気付くこともあります。

 

大腸がんの多くは「腺がん」というタイプです。腺がんにもいくつか異なる種類があり、治療や経過を見るうえで、医師が詳細に分類して診断しています。

 

2.大腸がんによる死亡率

厚生労働省の「令和6年(2024年)人口動態統計」によると、1年間の大腸がんによる死亡者数は54,416人にのぼり、がん死亡原因の第2位を占めています。大腸がんは、生活習慣が大きく関わるがんの一つです。これまでの研究から、喫煙や過度な飲酒、肥満などの習慣が大腸がんのリスクを高めることが明らかになってきました。たとえば、1日にタバコを20本以上吸う場合、吸わない人に比べて男性で約20%、女性では約40%も発症リスクが高くなることが報告されており、また、アルコールの摂取量が多いほど危険性も増すと言われています。日本人においては、肥満も大腸がん発症のリスクとなっており、特に中高年層で注意が必要です。一方で、適度な運動習慣は、結腸がんのリスク低下に有効と考えられています。食生活についても、牛肉などの赤身肉やハム・ソーセージなどの加工肉を多く摂取することで大腸がんになる可能性が指摘されていますが、これだけで予防ができるわけではありません。

 

このように、大腸がんの発症リスクは時代や生活の変化とともに見直されています。予防のためには、喫煙や過度な飲酒を避け、肥満を防ぐための運動、そしてバランスの良い食事を習慣づけるとともに、定期的に健診や人間ドックを受けることが重要です。

 

3.症状について

大腸がんは、初期段階ではほとんど症状が出ないため、自分では気づきにくいのが特徴です。しかし、がんの進行に伴って、以下のような症状が出ることがあります。

 

  • 血便、下血(便に血が混じる): 便が赤っぽくなったり、便の表面に血がついていたりすることがあります。ただし、便中の血液量が非常に少ない場合には、色や形の変化として現れず、肉眼では確認できない場合があります。そのため、専用の検査によって初めて見つかることが多いのが特徴です。
  • 貧血の症状:長くじわじわ出血が続くことで、体の鉄分が減り、めまいや立ちくらみ、全身のだるさを感じることがあります。
  • 便通の変化:便秘や下痢が長く続く、便が細くなる、すっきり排便できず残便感がある、お腹の張りを感じるなどの変化がみられることがあります。
  • 腸閉塞の症状:がんが大きくなって腸がふさがると「腸閉塞」になり、便が出なくなって激しい腹痛や嘔吐がみられることがあります。

 

また、がんの場所によって現れやすい症状も異なります。

  • 大腸の右側(盲腸、上行結腸、横行結腸):貧血が認められたり、おなかに腫瘤(しこり)を感じたりすることがあります。
  • 大腸の左側(下行結腸、S状結腸、直腸):血便や下血、便秘・下痢、便が細くなるなどの便通異常の症状を呈することがあります。

 

なお、これらの症状は「痔」など良性の病気でも出ることがありますが、特に40歳以上になって急に症状が現れた場合は、消化器科や胃腸科、肛門科などへ、お早めの受診をご検討ください。

 

4.男女比について

厚生労働省の「令和6年(2024年)人口動態統計」では、1年間に大腸がんで亡くなった方は男性28,826人、女性25,590人であり、男性は女性のおよそ1.1倍の死亡数となっています。

大腸がんは、男性の死亡率が女性よりもやや高い傾向にありますが、近年では女性の大腸がんも増加傾向にあります。また、部位別に見ると、結腸がんでは女性の発症が男性よりも多い傾向がみられ、必ずしも女性の死亡数が少ないとは限りません。

 

5.年齢層

大腸がんは、罹患率が年齢とともに増加する傾向があります。国立がん研究センター「全国がん登録罹患データ(2021年)」によると、人口10万人あたりの年齢階級別罹患率は以下のとおりです。

 

40歳代:男性 36.7人/女性 30.8

50歳代:男性 110.3人/女性 74.3

60歳代:男性 256.5人/女性 143.5

70歳代:男性 433.9人/女性 243.3

80歳代:男性 490.3人/女性 337.1

90歳代:男性 506.8人/女性 372.6

100歳以上:男性 350.0人/女性 274.7

 

※注:ここに示した年代別人数は、各年代を構成する5歳階級(例:40–44歳、45–49歳)の値を単純平均した近似値です。正確な年代別人数を算出する場合は、各5歳階級の人口を重みとした加重平均を用います。

※参考:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/8_liver.html

 

特に50歳代以降は罹患率が急増し、60歳代から80歳代にかけてさらに上昇します。すべての年代で男性の罹患率が女性よりも高い傾向がありますが、どの年齢層でも注意が必要です。

 

6.検査方法について

大腸がんが疑われる場合、診断を確定するために、以下のような検査をいくつか組み合わせて行います。これらの検査では、腸の内部の状態や腫瘍の有無・広がり、他の臓器への影響などを細かく調べます。特に血便や下痢・便秘の持続、腹痛などの症状が見られる場合や、リスクが高い方は、定期的に検査を受けることで早期発見・早期治療につながり、良い結果が期待できます。そのため、定期的な検査を受けることに加えて、気になる症状がある場合には早めに受診することが大切です。

 

(1)直腸指診

医師が手袋をした指で肛門から直腸内を直接触り、しこりや異常がないか確かめる方法です。簡便で、特に直腸がんの発見に役立ちます。

 

(2)注腸造影検査

専用の造影剤(バリウムなど)と空気を肛門から入れて、大腸の形や狭くなっている部分、腫瘍の大きさ・位置などをX線画像で確認します。腫瘍の位置や大きさなどを知るのに役立つ検査です。

 

(3)大腸内視鏡検査・生検

細いカメラ(内視鏡)を肛門から挿入して、大腸全体の粘膜や病変部を詳細に観察します。異常がある部分があれば、一部組織を取り出し(生検)、顕微鏡でがんかどうか詳しく調べます。画像の色や拡大機能で細かい変化も分かります。

 

(4)カプセル内視鏡検査

カメラが入った小さなカプセルを飲み、腸内の様子を自動で撮影する検査です。通常の内視鏡検査が困難な場合に用いられ、撮影後はカプセルが自然に排出されます。

 

(5)CT検査・MRI検査・腹部超音波検査

CT検査はX線、MRI検査は磁気、超音波検査は音波を使って体の内部の様子を調べます。これらの検査により、がんの進行度や広がり、他臓器への影響などを診断します。大腸の立体画像を作る「CTコロノグラフィ」も必要に応じて実施されます。

 

① CT検査

体の断面をX線で撮影し、腫瘍の広がりや転移を調べます。

 

② MRI検査

磁気を使って、さまざまな角度から腸や周囲の臓器を画像化します。

 

③ 腹部超音波検査(エコー)

お腹の表面に特殊な器具(プローブ)を当て、そこから発する超音波を利用して、内臓の状態をリアルタイムで画像化する検査です。

 

(6)PET検査

微量の放射性物質を使った検査で、がん細胞の活動を全身で画像化します。転移や再発が疑われる場合などに行われます。

 

(7)がん遺伝子検査

がんに関わる特定の遺伝子の異常の有無を調べる検査です。治療法選択や薬物療法の効果予測などに用いられます。

 

(8)腫瘍マーカー検査(血液検査)

血液中にあるがん細胞由来のタンパク質(主にCEAやCA19-9など)を測定します。診断の補助や治療効果の判断、再発の確認に使われますが、マーカーの値だけでがんの有無はわかりません。画像検査など他の情報と合わせて医師が総合的に判断します。

 

7.まとめ  

大腸がんは初期には自覚症状がほとんど現れないことが多く、発見が遅れると治療が難しくなる場合があります。しかし、毎年の健診や人間ドックなどを通じて早期発見ができれば、治療の選択肢も広がり、予後も大きく改善されます。また、大腸がんは年齢や生活習慣に関係なく、誰にでも発症リスクがあります。そのため、運動習慣やバランスの良い食事、禁煙、節酒などを心がけることが重要です。「自分は大丈夫」と思わず、症状がなくても、ぜひ定期的に健診や人間ドックをご受診ください。

 

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